WIKI2017

ラッパ吹き

⑮ニール・ヘフティー/ブルー・ムーン「クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス」
 
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解説の油井さんの弁によれば、イージー・リスニング時代前のウィズ・ストリングス物は、既に出来上がっている編曲に従ってソリストがアドリブ・プレイをするため自由闊達で創造的な演奏は望めないと。本作はクリフォードとしては異色作だそうだ。
 私などは、バラードを弦楽をバックに演奏させれば、クリフォードといえどもメロ主体のムーディな演奏に流れるのは当然と思われるが・・・
 うがった聞き方をすれば、本作はクリフォードの演奏力を借りて表現しているニール・ヘフティーの作品とも言える。ニールは編曲で名を挙げたが、実はトランぺッターである。スイング系の演奏スタイルだが、ビパップ期に編曲者としてウディ・ハーマン楽団に斬新な編曲を提供して以降、モダンな編曲者として名を挙げたものの
クリフォードへのストリングス物の編曲を依頼された時に、自身の演奏スタイルに即して編曲がなされたのではなかろうか。当時は、同時録音。編曲者はソリストの演奏スタイルを想像しつつ編曲を仕上げ、ソリストは編曲の仕切りの枠内でオリジナリティを表現しきる。ニールが想定したクリフォードは所詮ニールの影でしかない。クリフォードの偉大性を知る人たちは、クリフォードにセンチメンタルなバラード演奏を求めていないだろうから、このアルバム全体に漂う甘さに幻滅したのではなかろうか。
 私は、クリフォードの影にいるトランぺッターの演奏、嫌いなわけではない。
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